「どのカメラも綺麗に写るから、同じに見える」——藤岡亜弥さんのトークを聴いて
薹が立ったリーフレタスの花。葉を食べる野菜が、収穫の時期を過ぎて種へと向かっていく。手前はふわりと柔らかい——狙って整えたのではなく、そこに立ち会った一枚。(撮影:筆者)
昨日、写真家・藤岡亜弥さんのトークイベントに参加してきた。聴き終えたいまも、いくつかの言葉が体のなかで反響し続けている。忘れないうちに、そして自分自身の写真のためにも、書き留めておきたい。
いちばん驚いた一言
会場で藤岡さんが口にされた言葉のなかで、私がいちばん驚いたのはこれだった。
「今のカメラはどれも綺麗に写るから、どれも同じように見える」
写真家がこう言う。逆説のようでいて、聴けば聴くほど腑に落ちる指摘だった。技術が行き渡り、誰が撮っても破綻なく美しく写せるようになった。だとすれば、”綺麗さ” はもう写真を差別化する基準ではなくなっている。カメラが技術的な部分をぜんぶ引き受けてくれる時代に、それでもなお写真に残るものがあるとしたら、それはレンズのこちら側にいる人間が何を見て、その一瞬にどう反応したか、でしかない。

